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遺産分割協議書の作成が必要となる理由

  • 文責:弁護士 水野高徳
  • 最終更新日:2026年3月13日

1 遺言書がない場合の盾となる

遺産分割協議書は、相続人間での合意を単に記録するだけでなく、相続登記の義務化や金融機関での手続き、さらには将来的な紛争を未然に防ぐための法的な盾となります。

2024年4月からの相続登記義務化により、不動産の取得を知った日から3年以内に登記をしないと10万円以下の過料が科される可能性があります。

そのため、遺言書がない場合、遺産分割協議書の作成はマストといえます。

2 金融機関の手続きで、遺言書がなければ遺産分割協議書の提出が求められることも

金融実務においては、各金融機関所定の用紙に実印を押すことで、協議書の提出が不要になることもありますが、遺産分割協議書がある場合は、その提出を求められることもあります。

適切に遺産分割協議書が作成されていないと、金融機関での手続きが拒絶されてしまいますし、銀行側からすると将来的な紛争を懸念して厳しい対応を迫られてしまうかもしれません。

3 相続税申告においても、早期の遺産分割協議書作成は必須

配偶者の税額軽減や小規模宅地等の特例といった大幅な節税策は、10か月以内の申告期限までに協議が成立していることが原則的な適用要件であり、作成の遅れは多額の納税を一時的に強いる結果となります。

4 協議がまとまらない、相続の枝分かれなどのリスクの回避

協議を放置している間に相続人の一人が認知症を発症すると、意思能力の欠如から協議が成立しなくなり、成年後見人の選任が必要となります。

これには多額の費用と数か月に及ぶ期間がかかり、財産管理が著しく制限されることになります。

また、放置してしまっている間に次の相続が発生する「数次相続」が起きると、相続人が枝分かれして増えていき、面識のない親族が介入することで解決が極めて困難になります。

5 遺産分割協議書作成に行き詰ったらご相談を

弁護士が作成する協議書には、後日判明した財産の処理条項や、将来の蒸し返しを防ぐ清算条項など、実務経験に基づく高度なリスクヘッジが組み込まれます。

単なる書類作成にとどまらず、家族の平穏と財産を次世代へ確実に繋ぐための戦略的設計こそが、弁護士へ依頼する最大の意義といえるでしょう。

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